クワガタムシ、カブトムシの飼育方法
成虫の飼育
用意するもの:飼育ケース、昆虫マット、昆虫ゼリー、皿木
飼育容器にしめらせたマットを5cm程度入れます。飼育容器の大きさは大きい方がいいですが、成虫の飼育は小さくても問題ありません。マットの水分は手で強く握って水がしみない程度です。エサ皿にゼリーをセットし、カブトムシやクワガタムシを入れふたをすれば完了です。フタと容器の間に新聞紙などをはさむとコバエが出にくくなります。コバエを完全防止できるコバエシャッター(下参照)という専用の容器もあります。
飼育温度はだいたい25度前後(30℃以上は避けてください)で直射日光は当てないで下さい。マットの表面が乾いてきたらキリフキなどでしめらせます。
ゼリーはなくなったら交換してください。
カブトムシは国産、外国産ともに数ヶ月程度生きます。1年以上生きることはありません。クワガタムシは種類によって違いますが、ノコギリクワガタ、ミヤマクワガタは数ヶ月、オオクワガタは数年生きます。
カブトムシやオオクワガタなどは比較的簡単に産卵、幼虫の飼育をすることができます。産卵、幼虫の飼育についてはカブトムシの飼育オオクワ・ホペイの飼育をごらんください。
注:1つのケースに数匹まとめて飼うとけんかなどで傷つけたりし殺してしまうことも多いです。、長生きさせることができなくなりますので、1匹または1ペアずつ飼育してください。
成虫用飼育セット 飼育ケース中、コナラマット3L、すこやかゼリー50個、皿木ツインのセット。成虫の飼育に必要なものはこのセットにすべて入っています。
  
飼育ケース 大、中、小、ミニとありますが、クワガタの成虫の飼育はミニ、小、中になります。カブトムシは小、中になります。産卵の場合は大きい容器になります。
  
コバエシャッター コバエを完全シャットアウトできる飼育ケースです。クワガタの成虫の飼育はミニ、小、中になります。カブトムシは小、中になります。産卵の場合は大きい容器になります。
  
昆虫マット 成虫の飼育には大地かコナラマットを使用します。成虫飼育でしたら1袋で十分です。
大地 コナラマット
昆虫ゼリー すこやかゼリー、プロゼリー、山里の香りになります。産卵には栄養価の高いプロゼリー、山里の香りを選びます。
すこやかゼリー プロゼリー 山里の香り
皿木 皿木ツインか皿木ジャンボになります。カブトムシなど大きいものは65gのゼリーを使用することもありますのでその場合は皿木ジャンボを使用します。
  
★クワガタムシ・カブトムシの基礎知識★
クワガタムシとカブトムシの成虫の飼育方法は基本的にかわりません。飼育ケースに昆虫マット、ゼリーを与え飼育します。幼虫の飼育方法は双方には違いがあり、またクワガタムシは種類によって大きく異なります。 クワガタムシは木(朽木)に産卵するものが多く、カブトムシはマット(オガクズ)に産卵します。自然界では多くのクワガタムシの幼虫は朽木を食べて脱皮を繰り返し、蛹になり成虫になります。飼育下では幼虫の特性により大きく分けて菌床飼育とマット飼育の2つに分かれます(材飼育もありますが飼育しづらいのであまり行われません)。菌床やマットを入れた容器で通常1匹ずつ飼育します。数回のエサ交換をし、蛹になり、羽化し成虫になります。 カブトムシの幼虫はマット飼育になります。クワガタ同様、マットを入れた容器に通常は1匹ずつ飼育します。数回のエサ交換をし、蛹→羽化→成虫となります。 例えばオオクワガタは菌床飼育をした場合、羽化まで1年前後かかります。国産カブトムシも同様に1年程度で羽化します。クワガタムシ・カブトムシは種類や温度条件、エサの条件により羽化まで早いもので3ヶ月、長いものは3年かかるものまでいます。
菌床(きんしょう) オガクズにきのこの菌を回したもの。クワガタ用のものは広葉樹のオガクズに幼虫やきのこに必要な栄養を含んだ添加剤(下参照)を加えて殺菌し、きのこの菌を回しています。きのこの菌はオオヒラタケ菌やヒラタケ菌、カワラタケ菌などが使われます。袋入りやビン入りなど、入っているものによってそれぞれ名称がついています。ビンなどの場合は菌糸ビン(きんしびん)、袋入りの場合は菌床ブロック(きんしょうブロック)、菌糸ブロック(きんしブロック)などといいます。 菌床飼育(きんしょうしいく) →菌床を使って幼虫を飼う飼育方法。
マット 成虫を飼育するときに成虫がもぐるために使用したり、幼虫飼育や産卵用に使用するオガクズを総称してマットといいます。用途や状態により埋め込みマット(下参照)、発酵マット(下参照)などに分類されます。 発酵マット(はっこうまっと)  発酵させたマット。栄養価が入っているものと入っていないものがあります。幼虫飼育や産卵用には発酵していないマットではなく発酵マットが通常使用されます。
埋め込みマット
(うまこみまっと)
産卵木(下参照)や飼育材(下参照)を乾燥防止などの目的で埋める際に使うマット。
マット飼育(まっとしいく) マットを使って幼虫を飼う飼育方法。種類によりマット飼育に合うものと菌床飼育に合うものがあります。
エサ交換(えさこうかん) 主に幼虫のエサを交換することを指します。幼虫を飼っていると数ヶ月もすると食べているエサが劣化したり栄養がなくなってしまいますので、交換が必要になります。だいたい2ヶ月〜5ヶ月に1度新しいものと交換します。
飼育材(しいくざい) クワガタムシの幼虫を飼育するための朽木。産卵木と大きく違わないことから産卵飼育材と総称することもあります。一般的によく使用されるシイタケ菌で朽ちたコナラの木を通常コナラ材、クヌギの木をクヌギ材などといいます。カワラ材も飼育材の中の種類になります。飼育材を使い幼虫を飼うことを材飼育(ざいしいく)と言います。
産卵木(さんらんぼく) クワガタムシの産卵に使う朽木。一般的によく使用されるシイタケ菌で朽ちたコナラの木を通常コナラ材、クヌギの木をクヌギ材などといいます。カワラ材も産卵木の中の種類になります。
添加剤(てんかざい) クワガタムシやカブトムシの幼虫を飼育するときにマットや菌床に入れる栄養剤のこと。粉のものが多く、フスマなどが代表的。
補助添加剤
(ほじょてんかざい)
菌床や添加剤入りマットにはもともと添加剤が入っていますが、それぞれの好みでビンなどに詰め替えるときに補助的に入れることがあります。そのときに使う添加剤のこと。
カワラ材(かわらざい) カワラタケ菌により朽ちた朽木。天然、人工問わずカワラ材と言います。産卵、幼虫飼育の目的で使用します。
飼育ケース
(しいくけーす)
主に成虫の飼育に使う容器のことを指します。専用に売られているものがあります。
灯火採集
(とうかさいしゅう)
クワガタムシ、カブトムシが灯りに集まる習性を利用して外灯の下を見たり、自ら灯りをつけて行う採集方法。
黒ムシ(くろむし) 黒い色をした虫。主にオオクワガタ、アンタエウスオオクワガタ、ヒラタクワガタなどDorcus属を指すことが多い。
色ムシ(いろむし) 黒以外の明るい色を持った虫。種類は多くニジイロクワガタなどが代表。
ペアリング オスとメスを同じケースに入れ交尾させること。
孵化(ふか) 卵が幼虫になること。
蛹化(ようか) 幼虫が蛹(さなぎ)になること。
羽化(うか) 蛹が成虫になること。
羽化不全(うかふぜん) 綺麗に羽化できないこと。翅(はね)が綺麗になっていなかったり、虫自体は死んでしまうこともあります。